2010年6月7日月曜日

市民が作り育てた図書館/伊万里市民図書館

伊万里市民図書館
2008年4月27日(日)午前

対応:犬塚まゆみ館長
19995年(平成7年)7月開館。平成元年建設調査委員会発足より5年を要して開館した。
19991年には自動車文庫)ぶっくん)が稼動(現在はぶっくん1,2号)。準備担当者(森田一雄初代館長)、設計者(寺田芳朗)、市民は国内はもちろんこの間北欧の図書館視察やアメリカの図書館を視察し、先進国における建築、運営、市民のサポートのあり方などを学ぶ。1993(平成5)年図書館づくり伊万里塾を開催(計8回)、開館の年1995(平成7)年9月には図書館フレンズ伊万里が発足。
図書館の位置は、JR伊万里駅及び中心部からは相当離れている分、敷地は十分にとれている。(建物延べ床面積4300平米)駐車スペース60台。(他に旧検察庁官舎跡に第2駐車場)
大まかにくくって、一般開架室、子ども開架室、伊万里学室・AVコーナー、旅・ヤングコーナー、展示・ホール・会議室という5つのゾーンを有機的に連結した思想設計であり、癒しの読書空間をたくみに配置しているのは、もしかしてこれは美術館の設計思想に淵源をもつのではないかと想像される。
そのような寺田氏の設計思想を生み出したのも、伊万里学の構築をまちづくりの柱とし市民と行政の共同を標榜する自治体の為政者たちに触発された結果とも見える。伊万里市民図書館で図書館界の評価を不動のものとした寺田は、小川町や君津市の図書館を手がけさらに多良美図書館へと行き着くのだ。多良見の原点は伊万里にある。多良見は君津の進化形などだと私は理解する。

以下は、市民力を引き出す図書館の力・仕掛けの数々
豊富な資料費
元気な図書館を支える栄養はなんといっても資料費が潤沢にあること。
資料費は人間の体にたとえれば食べ物のようなもの、栄養補給がなくては体は動きません。開館当初4000万円であった資料費が、平成15年度決算で2300万円。市民あたり、389円。苦しい財政事情の中でのやりくりです。
そうはいっても、資料費は引き続き漸減傾向にあり、これに比例して利用数値も統計上減ってきています。ただし、貸出し点数は年間50万点と高いレベルを維持している。
登録人数は45000人で市民の75%、団体登録は446団体、年間貸出実績89000冊。
職員体制専任職員は6名、嘱託職員13名。
ここでも職員比率は1:2である。ちなみに犬塚館長さんも嘱託館長です。ただ、ここでの工夫は、嘱託職員の雇用止めを何とか延長し、最長20年まで連続雇用を可能としていることが味噌。この人員で、中央カウンターと2箇所の相談カウンター、2台の自動車文庫を運行しているのです。
特色ある蔵書構成。コーナー作りに努めていること。
そんなに多くはない資料費をバックに魅力ある蔵書構成に努めている。視聴覚資料に250万円、新聞雑誌に270万円(雑誌は270誌を購入)をかけている。伊万里学コーナーの維持に加え、一般向け書架には随所にテーマ別コーナーがしつらえてあり、私たちの読書脳を刺激してくれる。また、片岡繁男、犬塚堯文学館(コーナー)を図書館内に設置している。今理学コレクションの有効性を証明した企業家がいる。隣町の有田町でダンボールの卸を生業と強いた石川慶蔵氏は、万華鏡を有田焼の技術を使って作れないかと思いつき、伊万里図書館に通い、1000冊の専門書に当たり、その可能性を研究史、遂にその西方を考案権の企業d栗支援事業の認定を受け、12異業種の周知を集め、05年には国の支援を受けて世界初の「大型有田焼万華鏡」の開発に成功した。ダンボール会社は正式名称は㈲会社差がダンボールのままであるが。第二工場としてショウルームを回転、「有田焼カレンドスコープ研究所として世界に向け有田焼の新しい加工性を発信している。仲間の香蘭社からは、有田約万年室が発売されている。
http://www.arita-mangekyo.jp/pen/index.html

子どもとヤングアダルトを大切に
ヤングアダルトコーナーにはたっぷりの閲覧席が用意され、資料のほか進学向けパンフレットも抱負においてあった。子どものコーナーは、親子で楽しめるいろいろな仕掛けがしてあります。一日いても楽しい仕掛けが随所にある。中庭や癒しの空間は、人生の疲れも癒してくれそうな感さえします。
この空間が市民同士の出会いと生む。
視聴覚室や創作室、談話室、展示室、ボランティア室、喫茶室。和室などではさまざまな市民の研修会、学習会、読書会、コーラス練習会などが行われており、年間500回以上の利用があるということです。また、講演会を年3回、読書会、上映会(6回)、講座(年間30回)を行うほか以下のような活動を市民と共同で行っている。
①図書館めばえの日(図書館の起工式の日を記念)
手づくりぜんざいの振る舞い(300食)、古本市、かるた会、俳句祭りなど、図書館フレンズ伊万里との協働で運営している。
②図書館☆(ほし)まつり
平成20年で14回目を迎える図書館の開館を記念する行事。7月第1土曜に開催。
古本市、展示会、手作り即売会などのほか、ブラスバンド(中学校)、合唱コーラス(木のいす)紙芝居、人形劇、工作教室、お話し会、俳句祭り表彰、などが行われる。市民による実行委員会での運営である。図書館フレンズ伊万里(会員300名以上)の会員が活動の柱となっている。
http://www.city.imari.saga.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1181119735363&SiteID=0000000000000&FP=seclist&RK=1258768330149

そのほか、 子どもへのサービスとして
・ 0~3ヶ月ブックスタート12回(参加500人)
3ヶ月~2歳 お話し 270回(参加1600人)
2-6歳 土曜お話し会40回(参加1200人)
     ぶっく君お話し会(保育園、幼稚園にて) 465回(24ステーション)
6-12歳 学校・保育園来館 42回(参加2000人)
12-15歳 職場体験 5回(参加12人)
15-16歳インターンシップ 5回(参加10人)
そのほか、子ども読書推進計画に基づき「家読(うちどく)」(朝読は100%の学校で実施)を推進するようになった。現在モデル公民館2館を決め、地域の親子に集っていただき「フォア文庫」を題材に親子で本を読み、毎月1回づつ図書館の職員も参加して読書会を開催している。モデル公民館は、平成20年度は5地区に拡大する予定。

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